2003年夏の特集 -フィレンツェのジェラテリア-

ジェラートを楽しもうイタリアのデザートと言えば、映画「ローマの休日」であのオードリー・ヘップバーンも食べていたジェラート。

夏になると、街中でおいしそうにジェラートを食べている人達を見かけます。
もののデータによるとイタリア人の年間消費量は1人あたり10~12kg、種類は基本的なクリーム、チョコレート、ヘーゼルナッツ、イチゴをはじめ約300もあります。

2種類の味を1.5ユーロ前後から気軽に楽しめる夏にピッタリのジェラートの歴史、作り方、おいしさの秘密、おいしいGelateria(ジェラテリア:ジェラート屋)の見分け方、そして100人に聞いたお気に入りのGelateriaベスト5をご紹介します。


歴史

ジェラートの歴史は、ギリシア人やローマ人が果汁と雪と蜂蜜を混ぜて食べていた、または当時シチリア島を制服していたアラブ人がエトナ山の雪を果汁と混ぜたことによる、などいくつか説がありますが、アラブ人の説の方が有力だと言われています。

このアラブ人の食べていたものを「飲む」という意味の「Sharab」(シャラブ)または「Sherbeth」(シェルベス)と呼び、この言葉が今のシャーベットになりました。

もともとシャーベットは、水、果汁を混ぜたもの、ジェラートは牛乳をベースとしてシナモンやコーヒーやピスタチオなどそれぞれを混ぜたものでした。

ジェラートのショーウィンドー
冷凍器具がなかった時代は人々にあまり普及はしませんでしたが、16世紀にフィレンツェ出身の有名な建築家であり化学の分野にもたけていたBernardo Buontalenti(ベルナルド・ブォンタレント)が、現在の冷凍器具のはしりと思われるものを開発し公国王主催の晩餐会にジェラートを出したことにより、世間へ広まったとされています。
フィレンツェ出身の人が「現在ジェラートの父」ということは、ある意味フィレンツェは「ジェラートの故郷」だったのですね。


ジェラートの作り方

ジェラートマシーンジェラートの作り方にはいくつかの秘訣とその理由があります。

  1. 材料の殺菌と材料の混ぜ合わせ
  2. 成熟
  3. 材料のジェラート化

以上の3工程から作られます。これらの工程はそれぞれ異なった容器や機械で行われたり、これらが一度に出来る専用の機械を用いて行われます。
いずれの機械を用いるにしても全ての工程は、最初から最後まで連続して行われなければなりません、

1.材料の殺菌と材料の混ぜ合わせ

 レシピに沿って計られた材料をまず温めながら、殺菌しつつ混ぜ合わせていきます。
このときの殺菌温度は高温であれば85度にものぼり、また低温であれば65度程度で時間を少し長めにとって殺菌していきます。

2.成熟

言葉で書けばたったの2文字ですが、ジェラート作りにおいてもっともデリケートで重要な工程の一つです。

主材料となる牛乳や卵のたんぱく質とその他の材料を良くなじませます。
最適な温度は4度とされています。

ここで成熟を丁寧に上手く行うと、完成した時に全てが均等で濃密且つクリーミーとなり、口の中に入れてもすぐに溶けてなくならないものになるだけでなく、とても繊細な味わいのものとなります。

3.材料のジェラート化

良く成熟して混ぜ合わされた材料を、大きな専用の容器に移し0度以下になるように外側から冷やしながら混ぜていきます。
混ぜられていくにつれて、外側から少しづつ膜のように固まっていきます。液体の部分がなくなり、好みの硬さになったら出来上がりです。

ただし、この工程は時間をかけてゆっくりと混ぜ合わせると脂肪分、糖分や空気中の水分などが凍ってしまいますので手早く行わなければなりません。

工業製品と職人風ジェラートの違い

大きな工場で作られるジェラートは、手作り職人風の成熟の過程を手早く済ませるために材料に空気を注入するためにノズルを使います。
これにより材料はクリーム上になり、固めるだけの状態になります。

ちなみにそれぞれのジェラートに含まれる空気の含有量は、手作りのものが最高でも40%であるのに対し、工業製品は約100%、ほぼ全体にむらなく空気が含まれます。

これにより、口の中ですぐに溶けて薄い味わいのもになり、職人風のものに比べると本当にそっけないものとなりがちです。

おいしさの秘密

「ジェラートのどこが好き?」と聞くと、大体は「甘くて冷たいところ」と答えが返ってきます。

確かにその通り。

でも実は作り方でも説明した通り、複雑な工程を踏んで作られる食感においしさの秘密があるのです。

顕微鏡でジェラートを見ると、氷の結晶、脂肪の粒子、液状の部分(主に塩、砂糖、タンパク質)、気泡が見え、各成分がそれぞれの以下のような役割をはたしています。

  • 氷の結晶―異なった成分をくっつけ、固さをもたせる
  • 脂肪の粒子―クリーミー感を出す
  • 液状の部分―ジェラートがただの氷の塊であることを阻止している
  • 気泡―柔らかさと軽さを出す

これらの異なった成分のバランスがいい時にはじめて私達を惹きつける食感を生み出すのです。

口に入れてみてなめらかさに欠ける場合は、作っている時に冷やしすぎたせいで氷の結晶が多いか、もしくは脂肪分が少なすぎるもの。
柔らかすぎる場合は、空気が入り過ぎていて気泡が多いもの。
粘着力がありベトベトしている場合は、乳剤を多く使用しているもの。

ジェラートって以外と複雑ですね。

イタリア人はなぜ年中ジェラートを楽しんでいるか?

ジェラテリアまず、ジェラートの栄養素から説明しましょう。

基本材料は牛乳と卵です。
ですからベースとなる栄養素は脂肪とたんぱく質です。液状ですので吸収も良く食欲のないときには最適です。

そこに果物などの材料が加われば、さらに果実からの糖分やビタミンなども得ることが出来るのでより完全食品へと近づきます。

コーン入りのジェラートとシャーベットをそれぞれ100gづつ比べてみましょう。

  • コーン入りパンナ(生クリーム)とチョコレート100g:291カロリー
  • コーン入りレモンシャーベット:132カロリー

はやりすたりはこの数字の違いで見ることが出来ます。
このちょうど良いカロリーが、季節や老若男女を問わず楽しめる秘訣なのです。

ジェラートの保存、おいしく楽しむ方法

 当然溶けないでよく冷えるところです。温度で言うと-14度~-18度くらいでしょう。

その他に気をつけなければいけないことは

温度が上がりやすいところ(冷凍庫の扉の近くなど)
密閉率の悪いところ
温度が上がりやすいところに置くと、温度が上がったときに脂肪分などが溶けて結晶になって食感を悪くします。また、しっかりと閉まっていないと他の冷凍食品などの臭いなどがついたりします。
さらには外からの湿気により表面上に脂肪分のまくを作らせる原因となります。

ですから作られたその日の内に食べるのが一番おいしいです。たとえ良質のもので良好な保存状態に保管したとしても、出来るだけ1ヶ月以内に食べるのがいいでしょう。

保存が長くなるにつれて味わいを落としますし、さらにせっかく行った殺菌も無駄になってしまいます。

ペルバッコ風おいしい Gelateria の見分け方

それでは今回の取材から見出した見分け方を伝授しましょう。

  • 1. お客さんがたくさんいる所
  • 「おいしいものがある所には人が集まる」。
  • 食べ物のお店では基本ですね。
  • 2.看板や店内に「Gelateria Artigianale」と書いてある所
  • Artigianaleとは「職人の、手仕事の」という意味があります。
  • すなわち、そのお店に工房がありオリジナルのジェラートを作っているということです。
  • この表示がないところはジェラート生産企業の工場で大量に作って、お店では売るだけの所が多いのです。
  • 3.色が鮮やか過ぎないもの
  • 色が鮮やか過ぎるものは着色料を多く使用しています。
  • ただし、ブラックベリーとブルーベリーは自然のままでも色が鮮やかに出るのでご心配なく。
  • クリーム、生クリーム、チョコレート、トッローネ(ヌガー)、レモンは着色料を使用してはいけないという決まりがあるんですよ。

さあ、これであなたもジェラート通です。
イタリアであなたのお気に入りのジェラテリアを探してみて下さい!

100人に聞きました「フィレンツェのお気に入りGelateriaベスト5」

イタリア人60人、日本人40人という友人、友人のそのまた友人、そのまた友人と機会があるたびに聞きまくりました。さあ、フィレンツェに来た時に食べたことのあるジェラテリアは含まれていますか?
またこれから、フィレンツェにお越しの方はぜひとも参考にして下さいね!

集計結果をみると、イタリア人と日本人とではあげるお店に次のような違いがでました。

イタリア人

  • 街の中心ではなく、会社の近くや家の近くなど利用しやすい場所が多い
  • 小さい頃から食べ慣れている味が好き
  • どちらかと言うとさっぱりしたシャーベットよりクリーミーなジェラートが好き

日本人

  • 街の中心にあり、ガイドブックにも紹介されている有名店が多い
  • 特に女性はフルーツの果実味がしっかりとあるシャーベットが好き
  • 「○○の□□味が好き」と、好きなものがかなり限定されている

では、2003年気になるペルバッコ風フィレンツェ・ジェラテリア・ベスト5の発表です!

ジェラテリア・カラベ1. Carabe'(カラベ)-17人

住所
Via Ricasoli,60r(アカデミア美術館近く)
TEL
055-289476

「グラニータだったら絶対にここ!」という意見が多かった店。
シチリアのジェラート作りにこだわっているだけに、シチリア生まれのグラニータに人気が集まるのもうなずけます。
通常のジェラートにグラニータをかけて食べるとおいしさ倍増です。
アイスをパンにはさむ「アイスのパニーニ」も食べられますよ。

ジェラテリア・ペルケ・ノ2. Perche' no?(ペルケ ノ?)ー16人

住所
Via dei Tavolini,19r(シニョリーア広場近く)
TEL
055-2398969

日本人に人気があった店。
旬の果物で作ったシャーベットはフルーツの果実味がしっかりしていて、やみつきになりそうです。
「蜂蜜ゴマ味」なんて一風変わった味もおすすめです。

3. Vivoli(ヴィヴォリ)-10人

住所
Via Isola della Stinche,7r (サンタ・クローチェ教会近く)
TEL
055-292334

「伝統の味」、「クリーム系がこってりしていておいしい」との声が多かった店。
いつも人でいっぱいなので、その人気もうなずけます。
少し甘めのジェラート好きな方は是非どうぞ。

4. Cavini(カヴィーニ)-8人

住所
P.zza Cure,19r(クーレ広場)
TEL
055-587489

市内の中心から少し離れ、イタリア人に圧倒的人気があった店。
1.00ユーロからの値段設定、種類の多さが人気の秘密かも。
お店の外にはイスが並んでいて、地元の子供からお年寄りまでがジェラートを楽しんでいる光景が見られます。


5. Caffe delle Carrozze(カフェ・デッレ・カッロッツェ)-7人

住所
P.zza del Pesce,3-5r(ポンテヴェッキオ近く)
TEL
055-2396810

イタリア人、日本人共に人気があった店。
あまり多くない種類の中でも特にフルーツ系がおすすめ。
カフェも兼ねているので、ゆっくり味わいたい方は是非どうぞ。

2003年7月

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