2006年冬の特集
- フィレンツェの19~20世紀建築、ルネッサンスが花開いた街の新時代-

フィレンツェの建築物

フィレンツェの20世紀建築14~16世紀にルネサンス文化が花咲いたフィレンツェ。
街の歴史的地区には築数百年の重厚な建物が多く建ち並んでいます。

古いものに目が行きがちですが、ブログでも好評だったアール・ヌーボーの記事をきっかけに、この街の19~20世紀建築にスポットを当ててみました。

LinkIconブログのアール・ヌーボーの記事はこちら

観光中に見られるもの、ATAF(市バス)に乗って簡単に行ける所がほとんどですので、建築に興味がない方も現代美術館を訪問する気分で立ち寄ってみて下さい。


同行通訳市内、郊外への同行、オーダーメード店でのショッピングの通訳、 フィレンツェ・シエナの美術館ガイドなどをいたします。
買い物だけでなく、美術の専門ガイドなど、自分達だけのツアーでフィレンツェの町をお楽しみ下さい。
詳しくは下のリンクより。

LinkIconフィレンツェ同行通訳・コーディネート

一般的な建築様式

難しい印象を持たれている方も多いと思いますが、どんな背景があったのかを知る為に、有名な建築物を例に見てみましょう。

今でも泊れる、その時代に建てられた建物を利用したホテル、各様式風にアレンジされたものなど、気になるホテルもピックアップ。
フィレンツェでルネッサンスにどっぷり浸かって、ふっと近代建築に目を向けるのもなかなか出来ない体験だと思いませんか?

エジプト様式
ピラミッドや神殿建築など、ヨーロッパ建築に多大な影響を及ぼした。
ギリシャ様式
パルテノンなど神殿に代表される、柱と梁からなる直線的な造りの重厚で均整のとれた様式。
シチリア島のアグリジェントなど3カ所でギリシャ本土よりも保存状態のよいこの様式の神殿を見る事ができる。
同じくシチリア島、シラクーザのドゥオモは、このギリシャ神殿が後にカトリックの教会になったもので、壁に埋まったギリシャ神殿の特徴である柱が独特の雰囲気を作っている。
ローマ様式
アーチやドームの出現により、小さな材料で大空間が建造可能に、天然セメントのコンクリートも出現。
コロッセオなどローマを埋め尽くした建築群がそれ。

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ロマネスク様式
戦乱の中世ヨーロッパで生まれた、修道院や教会のための様式。巡礼路沿いに発展。
ピサの斜塔を含む建築群の大聖堂やルッカの大聖堂、フィレンツェのサン・ミニアート・アル・モンテ教会がイタリア・ロマネスクの代表的なもの。
ゴシック様式
12世紀半ばからパリを中心に形成された新しい建築様式、都市に流入した多くの人々のための救いの場所。カテドラルと称される、都市の繁栄のシンボル的な建築。
巡礼地沿いに発展した、静かなローソクの光の中で瞑想的に祈るロマネスクと対象的に、人口密度の高い都市での活動的な司祭たちへの建築と言える。
東京都庁舍がパリのノートル・ダム大聖堂のファサードにインスピレーションを得ていると言われるのは、同じような経済的背景と都市のシンボルとしての共通性が表現に繁栄していると思われ、興味深い。
フランス直系のゴシック建築はミラノ大聖堂、イタリア・ゴシックの代表的なものはアッシジのサン・フランチェスコ聖堂。
トスカーナ地方の伝統に根ざした、白と黒の縞模様を水平に用いたシエナの大聖堂も面白い。
ルネッサンス様式
15~16世紀、大きな変革の時代に、イタリア・フィレンツェで花開いた新たな様式。
フィレンツェの、そしてルネッサンスの象徴となった、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。
後に、そのクーポラ(天蓋)設計者のブルネレスキの手によって、捨て子養育院、サン・ロレンツォ聖堂内部と旧聖具室、サンタ・クローチェ聖堂パッツィ礼拝堂などの作品で変革して行った。

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バロック様式
ルネサンス期に「神のための建築から、民のための建築へ」とシフトしたのだが、その反動で「(国や皇帝、教会といった)絶対的権力に相応しい様式」に変化したものがこの様式。
様々な仕掛けで見るものを驚かせ、劇的で強烈な印象を与えようと、色や形、大きさなど全てにおいて派手好みで、装飾もたっぷり施される。
ビザンチン、ゴシックの伝統を持つヴェネツィアでは繊細な装飾が好まれ、独特のバロックが生まれた。
また、ちょうど発展期のトリノでも独特に発展していき、大きな建物が次々に建てられた。
古代エジプトで太陽神の象徴だったオベリスク柱がローマ時代に持ち出され、ルネッサンス以降見直されて、バロックの時代に広場の中央に彫刻と噴水を作ってオベリスクを立てるやり方が街作りの手法として確立されます。
今でもローマやバチカンの広場に残るこれをトリックに使い、ダン・ブラウン著の「天使と悪魔」が書かれたのは記憶に新しいところ。
18世紀
後期バロックとロココの時代。
フランス語の岩石を意味する言葉から生まれたロココとは、壁面に額縁を使って美しい曲線を描いたのが特徴の耽美的で官能的な様式。
フランスからドイツの宮廷へ、そしてオーストリアにも広がりを見せたのはウィーンの街並を見れば想像に容易い。
19世紀
産業革命やフランス革命を迎えた激動の時代、新たなる古典の研究と発見の新古典主義時代。
ナポレオン1世がパリを古代ローマ帝国に匹敵する首都にしようと望み、新古典主義に今まで以上の規模と壮大さを求めたのは、パリの凱旋門などからも見受けられる。
ゴシックを取り入れたロンドン・ビッグベンをはじめ、後にどんどん多様化していき、植物の曲線をモチーフにうねるような曲線で豊かに装飾されたデザインを、鉄やガラス、タイルなど新素材も駆使したアール・ヌーヴォー様式へ変化していく。
パリの地下鉄入り口などが有名で、バルセロナで独自の展開を見せたのがサグラダ・ファミリア。
第一次世界大戦までには急速に消滅して、後に装飾を罪悪視する機能主義からは攻撃の的にもなる。

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シチリア・パレルモでワーグナーも泊って曲のインスピレーションを得た、アール・ヌーボー・スタイルのホテルで過ごしたかったらこちらをチェック!(空き状況チェック&予約)
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20世紀
一番大きな変革は鉄筋コンクリートの採用。
有機的な自由曲線のアール・ヌーボーに対して、流線型やジグザグ模様、階段状のく操形などの装飾様式のアール・デコが生まれた。
パリで誕生し、アメリカの消費文化と結びつき、ニュー・ヨークの摩天楼を舞台に広がってゆく。
クライスラービル、エンパイアステートビルはこの様式のシンボルとも言え、ミラノ中央駅は特にファサードにこの顕著な特徴をもつ。

かなり大雑把な解説ですが、なんとなくでもつかめたでしょうか。
では、フィレンツェで見られる近代建築に目を向けてみましょう。

フィレンツェ市内の19~20世紀建築物

Giovanni Michelazzi(ジョヴァンニ・ミケラッツィ:1879~1920年)の作品

I DUE VILLINI LAMPREDI
(イ・ドぅエ・ヴィッリーニ・ランプレディ:ランプレディの二つの邸宅)

住所
Via Giano della Bella, 9 e 13(Piazza Tassoの近く)

イ・ドぅエ・ヴィッリーニ・ランプレディ

13番地の邸宅

Giulio Lampredi(ジュリオ・ランプレーディ)の依頼、により、1908~1909年にかけて建てられました。

1800年代の伝統的なフィレンツェの家の形をしたこの邸宅の特徴は、リバティー様式の正面。
素晴らしい鉄柵がついた窓、半地階に光を入れる雫とも人の顔ともとれる形の窓、バルコニーの下にあるグリフォンのような2頭の動物、Galelio Chini(ガレリオ・キーニ)作の子供が植物と戯れる様子が描かれた陶器の装飾部分などが見所です。

イ・ドぅエ・ヴィッリーニ・ランプレディ9番地の邸宅

Adolfo Lampredi(アドルフォ・ランプレーディ)の依頼により、1908~1909年にかけて建てられ、1912年には市の不動産登記台帳に登記されました。

13番地の邸宅と違い落ち着いた感じの正面ですが、バルコニーの鉄柵が柱まで伸びている様子、海を思わせる上部の飾りなどはミケラッツィらしさを出しています。


VILLINO BROGGI-CARACENI
(ヴィッリーノ・ブロッジ・カラチェーニ:ブロッジ・カラチェーニの邸宅)

住所
Via Scipione Ammirato, 99
(Piazza Beccariaの近く)

ブロッジ・カラチェーニの邸宅

1910年5月14日にフィレンツェ市からの許可を得、ローマのテーラーEnrico Broggi(エンリコ・ブロッジ)の依頼により建てられました。

ここの特徴はなんといっても建物自体の形のおもしろさと外観を飾る装飾の素晴らしさ。

ミケラッツィデザインの鉄装飾、サン・ロレンツォの焼き物工房による外観の陶器装飾、De Matteis(デ・マッテイス)工房作のガラス窓、Angiolo Vannetti(アンジョロ・ヴァッネッティ)作の漆喰装飾、ガレリオ・キーニ作の絵画装飾など、多くの芸術家の作品が楽しめます。

この地域は1900年代初めに中産階級の邸宅が多く建てられ、1920年代にはここの建築に関わったキーニやヴァッネッティも住居や事務所を構えました。

VILLINO RAVAZZINI
(ヴィッリーノ・ラヴァッツィーニ:ラヴァッツィーニの邸宅)

住所
Via Scipione Ammirato, 101
(Piazza Beccariaの近く)

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Ettore Ravazzini(エットーレ・ラヴァッツィーニ)の依頼により建てられ、1907年に完成したとされ、1909年に市の不動産登記台帳に登記されました。

隣にあるVillino Broggi-Caraceniと比べると建物の形も外観も落ち着いた感じなので、目に入りにくいかもしれません。
しかし、ミケラッツィがデザインしガレリオ・キーニが手がけた陶器装飾は植物をモーチフにしており優雅さを表しています。

CASA GALLERIA
(カーザ・ガッレリア:カーザ・ガッレリア)

住所
Borgo Ognissanti, 26
(Ognissanti教会の近く)

カーザ・ガッレリア

フィレンツェにあるリバティー様式の建物でも一番美しい物の1つ。

この建物はArgia Marinai Vichi(アルジア・マリナーイ・ヴィーキ)の依頼により1911年に建てられました。

1913年には市の不動産登記台帳に「Casa-Bottega」(住所-工房)と登記され、1913~1914年にかけてミケラッツィ自身もここに住み書斎をかまえていました。

正面は、軽さと優美さをもった組み合わせで4段にもわたって重なっている大きなガラスの間にある左右対称の曲線、人工石によって構成されています。
このジョヴァンニ・ミケラッツィの傑作は、イタリアにおけるアール・ヌーヴォーを代表するものです

Giovanni Micheluzzi(ジョヴァンニ・ミケルッツィ:1879~1920年)の作品

CHIESA DI SAN GIOVANNI BATTISTA
(キエーザ・ディ・サン・ジョヴァンニ・バッティスタ:サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会)

住所
Autostrada Firenze-Nord
(高速道路A1のFirenze-Nordoインター)

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会

1960~1964年にかけて作られた教会です。(1961年起工)

教会建築にとらわれない自由で複雑な発想のもと設計されたこの教会の特徴は、曲線と線。

ブロンズと鉄筋コンクリート製の壁と屋根を兼ねた部分は曲線を、この鉄筋コンクリート部分にかかる傾斜した杭と教会内にある何本ものむき出しの柱が線を表しています。
教会内の柱は木を、見事な曲線を描いた天井はまるで布製のカーテンのようです。

余分な絵もなければ豪華な装飾もない空間は、訪れた人を逆に神聖な気持ちにしてくれます。

STAZIONE F.S. SANTA MARIA NOVELLA
(スタツィオーニ・サンタ・マリア・ノヴェッラ:サンタ・マリア・ノヴェッラ駅)

住所
Piazza della Stazione

サンタ・マリア・ノヴェッラ駅

1932~34年にかけてミケルッチを含めたトスカーナグループによって建てられました。

観光都市フィレンツェの中心となる駅だけに、無駄のない十分な広さを持ちコンコースから切符売り場を抜けて外まで続くガラス張りの天井から自然光が入るのが特徴です。

以前フィレンツェの街にあった低くて長い壁を思わせるこの駅は、昔と今を繋げる役目も果たしています。

そのほかの建築家の作品


Leonardo Savioli(レオナルド・サヴィオリ)
Danilo Santi(ダニーロ・サンティ)

VILLA BAYON
(ヴィッラ・バイヨン:バイヨン邸)

住所
Via Ippolico Galantini,10
(Porta Romanaの近く)

バイヨン邸

1963年Bayon(バイヨン)家の依頼により、Leonardo Savioli(レオナルド・サヴィオリ)とDanilo Santi(ダニーロ・サンティ)がてがけ、1964年に完成した建物。

当時も今も住居として使用されています。

鉄筋コンクリート製の突き出た屋根兼テラス、それを支えるようにそびえ立つ柱、全体の印象を柔らかくしているかのような円注部分は住居のイメージを覆しています。

四角形、長方形、円形から成り、張り出しとへこみ、密集と隙間、明と暗など2つの両極端の性質をいかしたこの建物は、建築家の強い個性をも表しています。

Giuseppe Mengoni(ジュゼッペ・メンゴーニ)

MERCATO CENTRALE
(メルカート・チェントラーレ:中央市場)

住所
Piazza Mercato Centrale

中央市場

1870~1874年にかけて、あの有名なミラノのGalleria(ガッレリア)と同じ建築家Giuseppe Mengoni(ジュゼッペ・メンゴーニ)によって建てられました。

フィレンツェでは珍しく、鉄とガラスが主体の建物です。

当初は地下に冷蔵施設、地階(日本でいう1階)では魚や肉の店は並び、広場では毎朝フィレンツェ近郊からやってきた農家の人々がとれたての野菜や果物を荷車にのせたまま売っていました。

1978~1980年にかけての工事で1階(日本でいう2階)が造られ、1階に野菜と果物と冷蔵庫、地下は駐車場となりました。
今でもフィレンツェの胃袋として立派に活躍している市場です。

                 

21世紀の今

21世紀の今、築100年以上経っているものもありますが、石の文化と100年前も今も十分通用するデザイン性と機能性により、今日でも以前同様これらの建物は健在しています。

1982年にユネスコの世界遺産(文化遺産)にフィレンツェ歴史地区として登録され、古いものを守りつつ未来に向かって進んでいる街フィレンツェ。
未来に向けて新しいものを造ることも必要ですが、古きよきものを守ることもこの街に残された大きな課題だと感じました。
今回は主に外観だけの紹介をしましたが、いつかこれら建物内にある多くの素晴らしい作品にもお目にかかりたいものです。

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