五十四通り目 Via del Sole
(ソーレ通り)
54番目の通りは、中心地からPiazza Santa Maria Novella(サンタ・マリア・ノヴェッラ広場)をつなぐ通り、Via del Sole(ソーレ通り)です。
|
|
1300年代、フィレンツェは「サンタ・クローチェ」「サン・ジョヴァンニ」「サント・スピリト」「サンタ・マリア・ノヴェッラ」に分けられました。
各地区には旗と紋章があり、サンタ・マリア・ノヴェッラ地区の紋章は「青い地に金の太陽」でした。
これはドメニコ会のシンボルでもあり、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会にも認められ、この通りの由来となっています。
ただでさえ細い通りには、片側にいつも車が駐車されているので、道幅は車が1台通れるギリギリぐらいしか残っていません。
そんな細い道なので、ソーレ(太陽)通りという名前のわりに、青空の下でも、ほとんど日陰です。
サンタ・マリア・ノヴェッラ広場方向に向けて歩きましょう。
右手すぐの2番地には洋品・雑貨を扱う「PRINCIPE(プリンチペ)」の入り口、ショーウイーンドーがあります。
復活祭前だったので、それに合わせて卵もディスプレイされていました。
時々、ほかのお店では扱っていないかわいいキッチン用品を扱っているので、要チェックです。
左側の17番地には「FERRAMENTA(フェッラメンタ)」と呼ばれる金物店「METABO(メタボ)」があります。
現代のフェッラメンタには金物だけではなく、生活用品などを扱うところも多いです。
基本的に狭い店内に、大雑把なカテゴリーでギューギューにモノが並べられ、生活感たっぷりです。
お客さんの割合も地元民がほとんどで、観光客にはあまり関係なさそうなお店の1つなのですが、入ってみると意外に欲しくなるもの、おみやげになりそうなものがそろっています。
お勧めは、金属、陶器などで出来ている引き出し、扉の取っ手と壁に取り付けるフックです。
真鍮だったり、銅だったり、デザイン、大きさの種類も豊富で、1個1ユーロぐらいからと安く、ついついいろんな種類のものが欲しくなってしまいます。
そのちょっと先には手作りビジューアクセサリー店「PARSJFAL」があります。
一見、バッグ、靴やヴィンテージの洋服がおいてあったりして、普通のおみやげもの店のような品揃えなのですが、入ってみると、たくさんのビジューアクセサリーが並びます。
オーナーのパトリックさんが、いつも商品棚に区切られたようなカウンターの向こうにいるのですが、実はこのカウンターの向こうは作業場になっています。
私がいつも使っている彫金用の作業台と同じものが3台も並んでいて、彼はそこで1日中作業しているのです。
ほとんど立って作業しているので、きちんと見るまで、彫金用の作業台があることに気付きませんでした。
彼が主に扱う素材はアルミとブロンズで、遊び心たっぷり、パリ人の彼のエスプリが効いたアクセサリーが多く、パーツの1つ1つがオリジナルです。
10ユーロ台からそろっているので、お手ごろな値段のものからそろいます。
フィレンツェといえば彫金の街。
ポンテ・ヴェッキオを中心にジュエリー店に並ぶものは金製品が主で、ビジューと呼ばれるカテゴリーのアクセサリー店は珍しいので、お勧めのお店の1つです。
Via del Moro(モーロ通り)との交差点の手前、右側10番地には小さな映画館「SPAZIO UNO」があります。
カンヌとかヴェネツィア映画祭とかに出品されたもので、大々的には公開されないマニアックな映画がひっそり上映されていることがあるので、住んでいる方で映画好きは要チェックの映画館です。
道が終わると視界が開け、そこはサンタ・マリア・ノヴェッラ広場です。
ようやく日向になりました。
中心地から駅方面に向かうときに通ることの多いこの通りには、紹介したお店のほかにも素敵なお店がぽつぽつあるので、ちょっとだけ寄り道を楽しんでみてください。
2010年4月 なお