第六十一通り目 Costa San Giorgio e Piazza de` Rossi
(コスタ・サン・ジョルジョ通りとロッシ広場)
Ponte Vecchio(ポンテ・ヴェッキオ)からForte di Belvedere(べルヴェデーレ要塞)を結ぶ登り坂の道。
散歩道には少しきついですが、意外とガイドブックを片手にのんびりと歩いている観光客の姿も見かけます。
町中の喧騒から抜け出して、フィレンツェの小道を歩いてみましょう。
Ponte Vecchio(ポンテ・ヴェッキオ)からForte di Belvedere(べルヴェデーレ要塞)を結ぶ登り坂の道。
散歩道には少しきついですが、意外とガイドブックを片手にのんびりと歩いている観光客の姿も見かけます。
町中の喧騒から抜け出して、フィレンツェの小道を歩いてみましょう。
Costa San Giorgio(コスタ・サン・ジョルジョ通り)の出発点となるのは、Piazza Santa di Felicita`(サンタ・フェリチタ広場)の後ろにあるPiazza dei Rossi(ロッシ広場)。
ここには、フィレンツェの老舗エノテカLe volpi e l'uva(レ・ヴォルピ・エ・ルーヴァ)があります。
今から約20年前にワイン販売の店としてオープンし、その後店内でワインもおつまみも楽しめるようになり現在に至っています。
ここは「高くて美味しいワインは当たり前。どこでも売っているし、簡単に手に入る。うちで扱うのはまだまだ知られていない小さな生産者が造る、安くて美味しいワイン。」という考えのもと、自分達の足で見つけたワインを並べています。
赤・白それぞれ20種類くらいグラスで飲め、それに合わせたおつまみが美味しいのがここの大きな魅力です。
特におすすめは、Formaggi Italiani(イタリアチーズの盛り合わせ)やSalumi(サルミの盛り合わせ)やCrostone con Salsiccia al Tartufo(トリュフ風味のサルシッチャのクロストーネ)。
クロストーネは他に数種類あるので、人数やお腹の空き具合に合わせていろいろ選べます。
常連さんも多く、ワインを片手に新聞を読む人、大きな声でお店の人とお喋りに夢中になっている人、気軽に話しかけてくれる人、サッカーの話で盛り上がっている人など地元感を味わえる親しみやすい所です。
気に入ったワインはもちろんボトルでの購入も可能で、本数が多くなった時にはクロネコでお馴染のヤマト運輸で日本のご自宅までの発送サービスを利用すると便利です。
Le volpi e l'uva」(レ・ヴォルピ・エ・ルーヴァ)
住所 |
Piazza dei Rossi, 1
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TEL |
055-2398132
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営業時間 |
11:00~21:00
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定休日 |
日曜
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ホームページ |
ワインで気合を入れたら、さあいよいよコスタ・サン・ジョルジョ通りへと向かいましょう。
ロッシ広場に面した文房具店の隣り、普通車がギリギリ通れるくらいの細い道が今回の通りです。
石畳の道、石造りの家、建物に埋め込まれているマリア像など趣のある雰囲気を感じながら進むと左手に階段があり、そこから見える景色の先にはフィレンツェの行政の中心Palazzo Vecchio(ヴェッキオ宮殿)の塔が見えます。
通りの名前になっているCosta(コスタ)には斜面という意味があり、この辺りから本格的に長い長い登り坂が始まります。
通りが少し広くなった所の左手の建物には新古典主義の彫刻家で文学者でもあるシエナ出身のGiovanni Depre`(ジョヴァンニ・デプレ)が一時住んだという記念碑があります。
彼の作品Abele moribondo(瀕死のアベル)とCaino(カイン)はサンクトペテルベルクのエルミタージュ美術館に所蔵され、彼の子孫はBorgo Pinti(ボルゴ・ピンティ)にあるHolte Monna Lisa(ホテル・モンナ・リーザ)の現オーナー一族です。
ジョヴァンニ・デプレが住むよりかなり前、さかのぼること約600年、この建物がある場所にはS.Maddalena(サンタ・マッダレーナ)の祈祷所がありました。
現在は8つアパートを所有するCosta San Giorgio Apartments(コスタ・サン・ジョルジョ・アパートメント)になっています。
フィレンツェの町が一望できるテラスがあるアパートStandahal(スタンダール)がおすすめです。
「Costa San Giorgio Apartments」(コスタ・サン・ジョルジョ・アパートメント)
住所 |
Costra San Giorgio, 38
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TEL |
055-245351
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ホームページ |
道が少し左にカーブした所にあるのが、Chiesa dei Santi Girolamo e Francesco alla Costa(サント・ジローラモ・フランチェスコ教会)。
1300年代にフランチェスコ会のために建築が始まり、1432年に出来上がりました。
今でも1400年代に教会入口に造られたタベルナコロ(壁がん)が残っています。
サント・ジローラモ・フランチェスコ教会を右手に進むと、Yの字になった地点へとやってきます。
コスタ・サン・ジョルジョ通りに沿って右手あるのが、この通りの名前にもなっているChiesa di San Giorgio alla Costa(サン・ジョルジョ教会)です。
もともとここにはサン・ジョルジョ・マルティーレ教会、サン・ジズモンド教会、サン・マミリアーノ教会の3つの小さな教会がありました。
1000年代、サン・ジョルジョ教会は当時のプリオーレ(修道院長・修道会総長がつかさどる教区教会)の1つだったこともあり、若き日のGiotto(ジョット:1267~1337年)が祭壇にMadonna col Bambino in trono e due Angeli(聖母子と二人の天使:1290年頃)を描きました。
ジョットの研究者達によると、彼の作品として一番古い物と考えられています。
現在この作品は、ポンテ・ヴェッキオ近くのMuseo diocesano di Santo Stefano al Ponte(サント・ステファノ・アル・ポンテ教区美術館)に所蔵・展示されています。
ここまで来たら、今来た道を振り返ってみましょう。
どこかで見たことがあるかもしれない町並みがあります。
映画好き、小説好き、イタリア好き、フィレンツェ好き、竹野内豊好きであれば、観た事があるでしょうあの映画によく出てくる場所です。
その映画とは、2001年日本におけるイタリア年の公式作品と上映された「冷静と情熱のあいだ」。
順正を演じる竹野内豊さんがバイクで何度も通った所です。
撮影が行われたのは2001年。
確かにこの年の春頃、「○○で撮影やっていた」という話をよく聞きました。
この坂道でも撮影をしていたんですね。
時々後ろを振り返りながら、時々足を休めながらまだ続く坂道を登っていきます。
本当にきついのですこの坂道。
「まだ続くのかな・・・。」と思っている頃、右手に綺麗な建物が現れます。
物理学者、天文学者、哲学者だったGalileo Galilei(ガリレオ・ガリレイ:1564~1642年)が1634年に購入した家で、壁にはガリレオ・ガリレイの肖像画が描かれています。
Casa di Galileo Galilei(ガリレオ・ガリレイの家)と呼ばれていますが、実際に彼が住んだという訳ではなく短い間滞在した家です。
でも、あのガリレオ・ガリレイもこの道を通ったと思うとロマンを感じますね。
「Casa di Galileo Galilei」(ガリレオ・ガリレイの家)
住所 |
Costra San Giorgio, 19
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バランスを崩さないよう後ろを振り返ると、ちらちらとフィレンツェの景色が見える辺りまで登ってきました。
両側の石の壁とマリア像も趣があります。
フィレンツェ市内にある多くの美術館ほど有名ではありませんが、フィレンツェを見下ろす位置にあるVilla Bardini(ヴィッラ・バルディーニ)内は4つの美術館があります。
- Museo Pietro Annigoni(ピエトロ・アンニゴーニ美術館)―ピエトロ・アンニゴーニ(1910~1988年:イタリアの画家)の6,000もの作品を展示
- Museo Fondazione Roberto Capucci(ロベルト・カプッチ財団美術館)―ロベルト・カプッチ(1939年~:イタリアのデザイナー)がデザインした服を展示
- Mostre Temporanee in Villa(企画展)
- Bardini Contemporanea(バルディーニ現代作品展)
その他、夕方から夜にかけてはRistorante e Terrazza Bardini(リストランテ・テッラッツァ・バルディーニ)でアペリティーヴォや夕食も楽しめます。
「Villa Bardini」(ヴィッラ・バルディーニ)
住所 |
Costa San Giorgio, 2
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TEL |
055-20066206
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開館時間 |
火~日曜 10:00~18:00
Bardini Contemporaneaは上記時間とは異なります
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閉館日 |
月曜
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料金 |
6.00ユーロ
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備考 |
チケット窓口は閉館時間の1時間前に閉まります。
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Bardini Contemporanea(バルディーニ・コンテンポラーネア)
開館時間 |
8:15~18:30
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閉館日 |
月曜
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料金 |
無料
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ホームページ |
「Ristorante e Terrazza Bardini」(リストランテ・テッラッツァ・バルディーニ)
住所 |
Costa San Giorgio, 4
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TEL |
055-2008444
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営業時間 |
19:30~深夜遅く
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ホームページ |
周りに緑が多くなり、正面に黄色い建物が見えてきたらこの道の終点ももうすぐです。
2つに分かれた道をそのまま左へ進むとPorta San Giorgio(サン・ジョルジョ門)が見えてきます。
門の内部には「聖母子画」、門の正面にはドラゴンを退治するサン・ジョルジョのレリーフがあります。
現在は閉館していますが、門を出た所にあるのがForte di Belvedere(ベルヴェデーレ要塞)。
最初から最後まで登り坂だった道もようやくおしまいです。
帰りは来た道を通ってもよし、門を出て左に続く壁とオリーヴの木を見ながらVia di Belvedere(ベルヴェデーレ通り)を下るもよし。
まだまだ歩きたい方はベルヴェデーレ通りから名前が変わるVia San Leonardo(サン・レオナルド通り)を進んでもいいですね。
2010年12月 宮崎