第六十三通り目 Via della Spada e Piazza San Pancrazio
(スパーダ通りとサン・パンクラツィオ広場

Piazza Repubblica(共和国広場)からPiazza Santa Maria Novella(サンタ・マリア・ノヴェッラ広場)を結ぶ数ある通りのうちの1つで、町の中心にありながら地元の人達が利用する個人商店が数軒並ぶ温かみのある通りです。

スパーダ通り看板

スパーダ通り

古代ローマ時代、フィレンツェの町は現在の共和国広場を中心とした400×500mほどの大きさで、周りは壁で囲まれていました。

その壁の西門だったPorta San Brancazio(サン・ブランカツィオ門:現在のストロッツィ通りとトルナブォーニ通りの交差地点)から伸び、隣りの町Pistoia(ピストイア)を結ぶ幹線道路だったのがVia della Spada(スパーダ通り)です。

この名前になったのは、オーストリア出身のトスカーナ大公・Pietro Leopoldo(ピエトロ・レオポルド:1765~1790年)の時代になってからで、その前までは通りにあったChiesa San Pancrazio(サン・クラツィオ教会)の名前からBorgo S Brancazio(ボルゴ・サン・ブランカツィオ通り)と呼ばれていました。

西門だったサン・ブランカツィオ門もこの教会名からきています。

ダドリー宮

ダドリー宮の天使

今回の出発地点、以前西門があった所から進んでいきましょう。

Via della Vigna Nuova(ヴィーニャ・ヌォーヴァ通り)とスパーダ通りの間にあるフィレンツェの貴族Rucellai(ルチェッラーイ家)邸の一部だったV字型の建物は、1613年にイギリスのノ―サンバーランドの公爵だったRobert Dudley(ロバート・ダドリー)が購入しPalazzo Dudley(ダドリー宮)の名で現在に至っています。

1912~1913年にかけて建物の改築が行われ、1階部分(日本の2階)はバルコニーとなり1階部分にあったルチェラーイ家の紋章は2・3階部分(日本の3・4階)に移動されました。
3人の天使とランプが灯っている部分は建物が建てられた時とほぼ同じ状態で残っています。
ダドリー宮と天使達の彫刻は思わずカメラを向けたくなるとても絵になるポイントです。

V字の右側、スパーダ通りへ入っていきましょう。

カフェ・ジャコーザ・ロベルト・カヴァッリ紫色のランプがある建物にはフィレンツェ出身のデザイナーRoberto Cavalli(ロベルト・カヴァッリ)のショップとCaffe` Giacosa Roberto Cavalli(カフェ・ジャコーザ・ロベルト・カヴァッリ)があります。

1927年創業のカフェ・ジャコーザがロベルト・カヴァッリの手に渡ったのが数年前。
カフェ・ジャコーザは、フィレンツェのカクテルNegroni(ネグローニ)が生まれた所としても有名です。
歴史を引き継ぎつつモダンな雰囲気でリニューアルオープンしたカフェには、アニマル柄のチョコレートやウォッカ、ワインなどのオリジナル商品も揃っています。

昼食時にはブランド街で働いている店員さんの姿も多く、フィレンツェにいながらミラノっぽいファッショナブルな人達が集まるカフェでもあります。


「Caffe` Giacosa Roberto Cavalli」(カフェ・ジャコーザ・ロベルト・カヴァッリ)

住所
Via della Spada,10
TEL
055-2776328
ホームページ

ドットール・ヴラニエスカフェのほぼ向いの小さな間口のお店、ショーウインドウにはなにやら綺麗な瓶が飾ってあります。

ここはと言いますと・・・、昨年の12月17日にオープンしたルームフレグランスやコスメで有名なDr.Vranjes(ドットール・ヴラニエス)のフィレンツェ3店舗目のショップです。

3~4人入ったらもういっぱいになってしまうくらいのかなり小さなスペースなので、今はルームフレグランスを中心に置いていますが、今後はコスメなど他の商品も少しずつ増やしていく予定だそうです。

他の2店舗が市内中心から少し離れた所にあるので、新店舗の品揃えが楽しみですね。

「Dr.Vranjes」(ドットール・ヴラニエス)

住所
Via della Spada,9/r
TEL
055-288796
営業時間
火~土曜9:30~19:30、月曜 15:30~19:30
定休日
日曜
ホームページ

グレーヴィドットール・ヴラニエスの隣りは、またまた可愛いショーウインドウの帽子屋さんGrevi(グレーヴィ)。

1875年創業、麦わら帽子の生産からグレーヴィの歴史が始まりました。
創業当時からグレーヴィ一族が経営しており、現在は4代目になります。

麦わら帽子の他にも布、毛糸、フエルトなどの素材もあり、女性はもちろん男性、ユニセックス、子供用商品も扱っています。
旅行の記念に家族みんなでグレーヴィで帽子を買うなんてことも出来ますね。

私も夏用の帽子を持っていて、被っていると「それどこで買ったの?」とよく聞かれます。
そのくらい可愛い帽子なのです。
来年の冬に向けて、暖かい帽子が欲しいですね~。

日によっては日本人の店員さんもいるので、気軽に立ち寄れます。


「Grevi」(グレーヴィ)

住所
Via della Spada,11-13/r
TEL
055-264139
営業時間
10:00~14:00 / 15:00~20:00
定休日
日曜
ホームページ

リブレリア・デッラ・スパーダカフェ、フレグランス、帽子の次は、本屋さんです。

町中を歩いていると意外と見かけるのが本屋さん。
新書を扱う大きめの店から古書専門の小さいながらも本の数はたくさんある店、道端のスタンドで営業をしている店など一言で本屋と言っても販売スタイルは様々です。

スパーダ通りにあるLibreria della Spada(リブレリア・デッラ・スパーダ)は、新書・古本共に扱っていて値段が半額になっていることが多く、特に数年前に発行された本を探したい時にはおすすめの一店です。

美術、建築、デザイン、写真集など、読まずに見るだけでも十分な本が豊富なので、イタリア語が分からなくても楽しめます。

トスカーナの景色の写真集なんて、旅のいい記念になるかもしれませんね。


「Libreria della Spada」(リブレリア・デッラ・スパーダ)

住所
Via della Spada, 19-21/r
TEL
055-219277
営業時間
月~土曜 10:00~20:00、日曜 10:00~13:00 / 17:00~20:00
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ここまで来るとVia del Sole(ソーレ通り)とVia delle Belle Donne(べッレ・ドンネ通り)との三叉路になるので、一番左の通りを進んで行きましょう。

この辺りからは昔からある個人商店が多くなってきます。
どの商店も間口が狭く、しかも以前紹介したフィレンツェ市認定のESERCIZI STORICI FIORENTINI(フィレンツェの歴史ある店)のステッカーが貼ってあるお店が多いのにはビックリしました。
それがそのまま、昔から町の重要な通りだったということを表していますね。

ESERCIZI STORICI FIORENTINIの商店は右手に2つ並んでいます。

アンティカ・マチェッレリア・アッザッリ1つは1950年創業の肉屋Antica Macelleria Azzarri(アンティカ・マチェッレリア・アッザッリ)。

天井からぶら下がっている生ハム、ショーケースに並んだ肉やサルミ類、オリーヴ・オイルにワイン。
通りから見ているだけではたまらず、思わず入ってしまいたくなる店内です。

ここの売りは、日本ではTボーンステーキとして知られているBistecca alla Fiorentina(ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)。

その他、体は黒く首の周りが白っぽい地豚Cinta Senese(チンタ・セネーゼ)やLardo di Colonnata(ラルド・ディ・コロンナータ)など、トスカーナの食材を多く扱っています。


「Antica Macelleria Azzarri」(アンティカ・マチェッレリア・アッザッリ)

住所
Via della Spada, 22/r
TEL
055-215995
営業時間
7:00~14:00 16:30~20:00、 水曜 7:00~14:00
定休日
水曜午後と日曜
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コルテッレリア・ガッリもう1つは肉屋の隣りの刃物屋Coltelleria Galli(コルテッレリア・ガッリ)。

イタリア国内外の包丁、ナイフ、小さなハサミ、特殊な刃物など、様々な種類の商品を扱っています。
絵画やフレスコ画修復の際に使用するメスのような道具はここで生産もしているイタリア国内でも珍しい一店です。

刃物を長く使うにはお手入れも重要。
ここでは一般家庭で使用するものはもちろん、床屋や庭師のハサミまで研いでくれる研ぎのプロフェッショナルでもあります。


「Coltelleria Galli」(コルテッレリア・ガッリ)

住所
Via della Spada, 26/r
TEL
055-282410
営業時間
9:00~13:00 / 15:30~19:30、月曜15:30~19:30
定休日
月曜午前と日曜

聖母子像のタベルナコロコルテッレリア・ガッリの向い、Madonna col Bambino(聖母子)のTabernacolo(タベルナコロ=壁がん、壁祭壇)がある建物が元サン・パンクラツィオ教会です。


サン・パンクラツィオ広場看板正面はPiazza San Pancrazio(サン・パンクラツィオ広場)に面しています。

教会名になっているパンクラツィオは4世紀初めにわずか14歳で殉教し、後に聖人となりました。

教会は初期キリスト教時代に建てられ、その後改築と増築が繰り返され、15世紀ルチェッラーイ家のGiovanni Rucellai(ジョヴァンニ・ルチェッラーイ)がLeon Battista Alberti(レオン・バッティスタ・アルベルティ)に教会内のCappella Santo Sepolcro(サント・セポルクロ礼拝堂)の改修を依頼しました。

彼はルチェッラーイ宮(1447年)、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のファザード(1456年)、ルチェッラーイ家のロッジャ(1460年)を手掛けており、ルチェッラーイ家との結び付きが強い人でもありました。

礼拝堂の改修が終了したのは1467年で、現在建物の中で唯一神聖ある場所として残っています。

礼拝堂内あるジョヴァンニが眠るTempietto del Santo Sepolcro(サント・セポルクロ:聖墳墓)もレオン・バッティスタ・アルベルティの手によるものです。

長方体と円柱を合わせたような形は、エルサレムの聖墳墓教会内にあるイエス・キリストの墓と言われているものにヒント得たと言われています。

長方体の平面部の長方形は最も美しい比とされている黄金比(1:1.618)になっていて、聖墳墓の周りは大理石のパネル30枚で飾られています。

幾何学模様が多いなか、フィレンツェの重要人物の紋章もいくつか見られます。

  • YHESVM QVERITIS N(西側のパネル) Piero de'Medici(ピエロ・デ・メディチ:老コジモの息子でロレンツォ豪華王の父)―ダイヤモンドの指輪と2枚の羽根
  • AZARENVM CRVCIFIXVM SUR(南側のパネル) ジョヴァンニ・ルチェッラーイ―風にたなびく帆
  • REXIT NONEST HIC ECCE L(東側のパネル) Lorenzo il Magnifico(ロレンツォ豪華王:ピエロ・デ・メディチの息子)―3つの指輪
  • OCVS VBI POSVERVNT EVM(北側のパネル) Cosimo il Vecchio(老コジモ:ピエロ・デ・メディチの父でロレンツォ豪華王の祖父)―輪と3枚の羽根

サント・セポルクロ礼拝堂入口
サント・セポルクロやパネルを写真でお見せしたいのですが、ここいつも閉まっていてかれこれ10年弱前に1度入ったことがあるだけでそれ以来なし。

入口に「7~9月を除く毎週土曜日17:30にミサを行う」と書いてあるので、この時間を狙って行ったのですが結局開かず・・・。

ここの写真はイタリア語のウィキペディアをご覧下さい。


「Tempietto del Santo Sepolcro」(サント・セポルクロ:聖墳墓)

住所
Via della Spada Cappella Santo Sepolcro内
ホームページ

マリーノ・マリーニ博物館礼拝堂がある元サン・パンクラツィオ教会の建物は、現在Museo Marino Marini(マリーノ・マリーニ博物館)として使用されています。

マリーノ・マリーニは1901年にPistoia(ピストイア)で生まれ、彫刻家、画家、エッチング画家として1900年代に活躍しました。
博物館内には主にCavallo(馬)、Cavalieri(馬に乗る人)、Danzatore(ダンスをする人)のタイトルがついた彫像が展示されています。

元教会をいくつかに区切って展示しているので館内を回りにくいのは否めませんが、教会の名残を感じながら歩くのは他の博物館では出来ないことです。


「Museo Marino Marini」(マリーノ・マリーニ博物館)

住所
Piazza San Pancrazio
TEL
055-219432
開館時間
月曜、水曜~土曜 10:00~17:00
閉館日
火、日曜
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博物館を出てスパーダ通りへと戻りましょう。
サン・パンクラツィオ広場近くでまたESERCIZI STORICI FIORENTINI(フィレンツェの歴史ある店)に指定されている店を見つけました。

チヴァイエ1892年創業のCivaie(チヴァイエ)。
看板も出ておらず、店内に並ぶ商品から判断すると半分は食料品店、もう半分はペットフードショップのようなどっちともとれる不思議な店です。

店名のCivaieは豆の木や豆類を表し、その名の通りたくさんの種類の豆類が並んでいます。
私達日本人にはお馴染の小豆も売っています。
イタリア語での表示もAZUKI。
なんだか急に餡子が懐かしくなりました。


チヴァイエの店主マルチェッラさん今の店主マルチェッラさんのお爺さんが創業し、当時この辺りはまだ畑や鶏を飼っているような家がたくさんあり、土地柄人間の食用と家畜の餌用の豆類を扱っていたようです。

その後、雌鶏や狩りの時のおとり用の鳥やペット用の小鳥を扱っていた時代もありました。
その流れで現在でもペット用の商品を扱っているのです。

タイムスリップしたような昔ながらの店を見ると「本当にやっていけているのかな? お客さん来るのかな?」と心配になってしまうのですが、ここはしっかりと常連さんがいるようで入れ替わり立ち替わりお客様がやってきました。
特に豆類はスーパーでは手に入らないような種類を扱っているので、貴重な一店なんでしょうね。

そういう私もまだ小豆が買いたくなったらここへ来ようと思います。

「Civaie」(チヴァイエ)

住所
Via della Spada, 52/r
TEL
055-2396651

さて、いろいろな個人商店を覗きながら歩いてきた通りもそろそろ終点です。

「今回入れなかったサント・セポルクロを見に、この辺りへ来たらまた絶対に通らないと!」と思った、リベンジの通りともなりました。

2011年3月 宮崎

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