第六十八通り目 Via dell'Oriuolo (オリウオーロ通り)
68番目の通りは、ドゥオーモに向かって真っすぐ延びる通り、via dell'Oriuolo(オリウオーロ通り)です。
この通りを第17の通りで紹介したPiazza Gaetano Salvemini(ガエターノ・サルベミーニ広場側から、ドゥオーモ方向に向かって歩いていきましょう。
通りの奥にはドゥオーモのクーポラが大きく見えています。
フィレンツェが首都だったころ、オリウオーロ通りはvia degli Albertinelli(アルベルティネッリ通り)、via Buia(ブイア通り)、via dello Sprone(スプローネ通り)の3つの通りに分かれていました。
その名残の一部が通り名の石盤にもあります。
今の名前の由来は、1353年にヴェッキオ宮殿の塔の時計の製造業者がこの通りに工房を構えていたからです。
ちょっとしたトスカーナ弁講座になりますが、時計はイタリア語では「orologio(オロロージョ)」。
これが、古いトスカーナ語では「oriolo(オリオーロ)」。
フィレンツェ人はこれを独特の訛りで「oriuolo(オリウオーロ)」と発音します。今でもたまにお年寄りが使うのを耳にする言葉です。
なので、この通りの訳名は「時計通り」ですが、イタリア語でよく知られている「オロロージョ」は使わずに、「オリウオーロ通り」と名付けられています。
通りの始まりにarco di San Pierino(アルコ・ディ・サンピエリーノ)、元のピンティ門があります。この短いトンネルのような場所に数件の飲食店が入っています。
その中の1軒で、オリウオーロ通りに面しているバーが「EBY'S(エビーズ)」です。
ここでは、イタリアワインではなく、南米各国のいろんなアルコールが楽しめます。食事はブリトーをはじめ、軽食がいろいろ用意されていて、気軽にお食事まで出来ます。
長旅でイタリアン以外が恋しくなった時にお勧めの1軒です。
「EBY'S」(エビーズ)
住所 |
Via dell'Oriuolo, 5/r
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営業時間 |
10:00~翌3:00
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定休日 |
月曜
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クーポラを目指して進みましょう。
中心地にある通りなのですが、ここ数年の不景気でだいぶお店が様変わりしています。
通りの右側は閉店したところが多く、若干さびしい感じが漂います。
通りのちょうど中間点の右手、庭のある建物が、元オブラテス修道院を利用した「Museo di Firenze com'era」(フィレンツェ都市先史博物館)です。
隣接するオブラーテ図書館の拡張計画のために場所を提供しているため、今は一般公開されておらず、展示物はほかの博物館に移設されています。
「Museo di Firenze com'era」
住所 |
Via dell'Oriuolo,24
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Tel |
055 2616545
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ホームページ |
その隣接するオブラーテ図書館は、改修工事を経て、2007年に一般公開された新しい図書館です。
カフェが併設されていたり、ネット接続が出来たり、便利な公共の場として利用されています。
「Biblioteca delle OBLATE」
住所 |
Via dell'Oriuolo, 26
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Tel |
055-2616512
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営業時間 |
火~金 9:00-24:00、月 14:00~19:00
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定休日 |
日曜、祝日
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ホームページ |
右手にポルティナーリ通りが見えてくると、クーポラが建物に隠れて、ジョットの鐘楼がまっすぐに見えてきます。
左手37番地にフィレンツェ発信のオリジナルの洋服を扱う「ECHO」(エコ)があります。
お手頃価格のものが多く、フィレンツェに来たら要チェックの洋服屋さんです。
個人的にここのお勧めは、季節ごとに用意されているストール、スカーフなど巻き物です。
「ECHO」(エコ)
住所 |
Via dell'Oriuolo, 37/r
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Tel |
055-2381149
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営業時間 |
10:00~19:30
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定休日 |
日曜
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ホームページ |
ここを過ぎると再びクーポラが見えてきます。
全景が見えたところで、今回の通りは終わりです。
この通りはドゥオーモの撮影ポイントにもなるため、すっきりした青空が広がる朝、または太陽がクーポラの影になるぐらいの時間帯に歩くのがお勧めです。
青空をバックにしたクーポラと、太陽の光を浴びるクーポラでは、まったく違う印象となるでしょう。
2011年9月なお