第六十九通り目 Cerretani e Piazza Santa Maria Maggiore
(チェッレターニ通りとサンタ・マリア・マッジョーレ広場)
69番目の通りは、68番目に続いて、ドゥオーモに向かって延びる通りのVia de'
Cerretani(チェッレターニ通り)と、その途中に位置する広場と気付かない可能性のあるPiazza Santa Maria Maggiore(サンタ・マリア・マッジョーレ広場)です。
この通りは2年前まで車通りが激しく、中心地の中で一番渋滞がひどい通りと言われていました。
フィレンツェ市の政策で、ドゥオーモ周辺の道路が車両規制され、歩行者と一部の車が通れるのみとなり、今では思い思いにゆっくりお散歩をする観光客であふれる平和な通りに変身しました。
通り名が書いてある石盤が、排ガスで真っ黒にすすけたようになっている様子を見ると、どれだけ空気が汚染されていたかがわかります。
この通りには、さらに路面電車を走らせる計画があったのですが、市民選挙で反対が決定されました。ドゥオーモなど世界遺産を環境汚染から守るなら、この選択が正しかったのだろうと思います。
今回も前回に引き続き、ドゥオーモに向かって歩いていきましょう。
ドゥオーモ方向を見ると、茶色のクーポラは道路の右端からはほんのちょっと、左端からは3分の1ぐらいが見えます。
名前の由来は、この通りにたくさんの屋敷を構えていたチェッレンターニ一族です。
12世紀ごろチェレットからフィレンツェに進出し、1500年ごろまで、裕福な資金力で、政治にも影響力を持っていたと言われます。
一族の住まいとしていた屋敷は、1864年に道路拡張のため取り壊されましたが、通りに名前が残りました。
歩き始めてすぐに右手に延びる通りがあります。この通りの始まりがサンタ・マリア・マッジョーレ広場です。
一見、普通の通りに見えるのですが、奥に続く通りより道幅が広い部分までが広場なので、住んでいる人間でさえ、この広場の名前を聞いてどこかすぐわかる人が少なかったりします。
この広場の名前の由来のサンタ・マリア・マッジョーレ教会がチェッレンターニ通りとの角にあります。
この場所には、13世紀ごろ、フィレンツェの中で古い教会の1つと言われた教会が建っていました。その教会をゴシック様式に増築したときに、サンタ・マリア・マッジョーレ教会と呼ばれるようになりました。
サンタ・マリアに捧げられた教会に、「より大きい」という意味の「マッジョーレ」が加えられたのは、その当時、サンタ・マリアに捧げた教会の中で一番大きかったからだそうです。
その後、サンタ・マリア・レパラータ教会が拡張され、現在のサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会が建設され、さらに大きい教会が出来たのですが、名前はその当時のまま現在に至ります。
教会の右側にはVicolo di Santa Maria Maggiore(サンタ・マリア・マッジョーレの小道)が通ります。
チェッレンターニ通りに戻ると、観光、ショッピングを楽しむ人でたくさんです。
お店の前では、お買い物をする奥様たちを待つ、男前のおじさまたちが立ち話する姿が見られます。
大聖堂の3分の1ぐらいが見えてくる位置の左側に、シルバーアクセサリーを扱う「ROSSI」(ロッシ)があります。
多くのチェーン店が、大きいショーウインドーを構えて営業しているこの通りでは、見逃してしまいそうなお店です。
フィレンツェ人の間では、ピアスの穴開けを専門的にやっていることで知られていて、耳以外のちょっと変わったところに穴をあけたい人の間で人気のお店です。
あまり選べないイメージがあるファーストピアスでも、いろいろ種類がそろっているので、ピアス好きな方にお勧めの1件です。
「ROSSI」(ロッシ)
住所 |
Via Cerrentani,18/r
|
---|---|
Tel |
055-2398486
|
営業時間 |
9:30~13:00、15:00~19:30
|
定休日 |
日曜
|
ホームページ |
ここを過ぎると礼拝堂の全景が見えてきます。
ドゥオーモ広場全体が見えたところで、今回の通りは終わりです。
少しずつドゥオーモに近付き、大聖堂、クーポラの大きさを実感できるこの通りは、観光には欠かせない通りの1つでしょう。
ここから撮る大聖堂の写真の背景が、青空の日だったら、とても得した気分になれると思います。
2011年10月 なお